管理栄養士でもある菱沼未央さんと一緒に製作した「パンとごはんと…」を詳しく紹介しています。今回で第16話になります。
今回からは陶器を製造していただいている窯元をレポートして行きます。
まずは「パンとごはんと…」の中で、掻き落としの陶器、まるい縁取りの陶器、艶トルコ釉の器の3シリーズを手掛けていただいている窯元の「美濃文山窯」をご紹介します。
美濃文山窯は岐阜県土岐市にあり、110〜120年続く歴史ある窯元です。
現在は4代目のご主人が窯を受け継いでいます。
この美濃文山窯、実は、私が陶磁器企画の仕事を始めた当初からお世話になっている窯で、かれこれ10年ほどのおつきあいになります。
今回、「パンとごはんと…」プロジェクトに携わってくださることになり、初めてその歴史や伝統技術について詳しくお伺いし、改めて大切におつきあいしていきたい窯元だなぁと実感させられました。
美濃文山窯の器は職人技といえる、特別な技術を使って作られた日用品
美濃文山窯は色々な技法や色、製作可能な形状を持っている窯です。
今回依頼している「パンとごはんと…」の3つのシリーズ全てに、必ず手仕事がはいっているので、美濃文山窯のこだわりの技法が日常使いで楽しんでいただけます。
美濃文山窯の得意な技法は、よく陶磁器作家さんが使う技術で、「いっちん・削り・掻き落とし」と言われる手の込んだ技です。
その一つの、掻き落としと言われる技術を今回の取材時に実際に見せていただきました。
器の成形、色塗りなどをした後、一つ一つ専用の器具を使い、土をひっかいて模様を付けていきます。
今回初めてその作業風景を見せていただきましたが、下書きも何もない器に、フリーハンドでどんどん土を削っていく様は、それはまさに職人技!
次々に搔き落とされた器が目の前に並んでいきました。
(写真が実際に見せていただいた掻き落としの作業です。)
美濃文山窯には、工房の隣にギャラリーが併設されています。
このギャラリーで展示されているものは、主にこの窯で製作可能な技法や出せる色、作ることが出来る形状の物で、4代目のこだわり抜いた作品達です。
たくさんあるそれらの作品達の中から、自分のイメージする形、色、技法を選んで器をイメージに近づけていきます。
実際、菱沼未央さんが、ここに並んだ器達からインスピレーションを受け、「パンとごはんと…」シリーズの中の、掻き落としの陶器、まるい縁取りの陶器、艶トルコ釉の器の3シリーズが出来ました。
次回は美濃文山窯の歴史とこだわりをご紹介します。その2に続きます。