【CHIPS mug.】の製作秘話を連載している【CHIPS MUG. プロジェクト】です。
第三話も引き続き【CHIPS mug.】のこだわりをご紹介します。
前回は全体のフォルムや持ち手についてお話しましたが、今回は素材についてのお話です。
【コンセプト3】素材感と使いやすさへのこだわり
前回、初期段階のコンセプトの中に「インテリアショップにも合うマグ…」というのがあると書きました。
もちろんいろんなタイプのインテリアショップがありますし、インテリアショップに合うマグもそれはそれはいろんなタイプがあると思います。
今回私たちは、メンズライクで、より自然に近い物を取り扱っているインテリアショップを想定して、そのようなお店でおいてあるイメージなども想定しました。
自然に近いもの、例えば、天然木、天然石、鉄などの自然を残したままの物や無骨なものにもぴったり来る、土っぽさを感じるマグを作ることを目指しました。
しかし、土物の陶器はレンジも食洗機も使えません。
日常で使うマグカップは、レンジも食洗機も使えた方が便利ですし、マグカップというアイテムの特性上、レンジも食洗機も使えないというアナウンスをしても、実際に使ってしまう人が多いというのも現実です。
レンジも食洗機も使えるのは、土物よりも高温で焼き締めた磁器です。
では、磁器で土感を出せないか?と考え、窯屋さんに相談し、土物に見える磁器を作ってもらう事が出来ました。
それは、どの窯でも出来る技術ではありませんが、私たちの希望する物に一生懸命耳を傾け、少しでも実現してくれようとしてくれた結果、そのような物を作って頂ける事が出来ました。
【コンセプト4】コレクションしたくなる化粧へのこだわり
チップスマグは、1形状のみの展開です。
同じ形のマグでもそのお化粧が違えば、同じ物ではなくなります。
お化粧というのは、要するに釉薬の事です。
シンプルな形だからこそ、いろんな遊びが出来ると思い、タイプの違う釉薬や色で表現したらコレクションしたくなるマグになると考えました。
色違いで展開しているマグは多いですが、全然違うお化粧を施しているマグは余りありません。
内側と外側の色を変えたり、マット感、艶感の違いで見た目そのものを変えたりしました。
また釉薬に砂を入れ、表面のざらざら感を出す事を考えましたが、混ぜる砂の料で、仕上がりの色と口当たりのバランスが変化するので、ちょうど良い砂の料になるまで、何度も失敗を繰り返しました。
スプレーも、マグ本体の大きさに合うバランスの斑点が出るよう、何度も失敗を繰り返しながら、スプレー口の大きさを変え、いくつもサンプルを作りました。
また、和食器(特に昔からカメや壷)に使われている「垂れ」を表現する化粧を施してみたり、今までのマグカップの概念を超えた様々な化粧を施してみました。
以上のような、細かい所の工夫でバリエーションを持たせ、一つだけではなく複数持ちたいと思えるようなマグを作りました。
まだまだ、あんな事もこんな事もしたいと考えています。
今回、発表させて頂いた9カラーには無い、素敵なお化粧を施したマグを今後も出したいと思っています。
期待してお待ちください!
素材や釉薬などは、以上のようなこだわりをもって製作していきました。
ここにもたくさんの時間を使い、私たち自身が納得いくまで突き詰めた物が【CHIPS mug.】です。
【CHIPS mug.】のこだわりを紹介するのは次回で最終回になります。
お楽しみに!