管理栄養士でフードコーディネーターの菱沼未央さんと一緒に製作した、「パンとごはんと…」シリーズを詳しくご紹介しています。
前回の美濃文山窯に続いてご紹介する窯は、「パンとごはんと…」シリーズの中で、「しましまのお皿」の制作を依頼している「敏山窯」です。
今回取材をさせていただき、改めて。。。。手作業にこだわった繊細な作業が素敵な器で、美濃文山窯同様、大切におつきあいしていきたい窯元だなぁと実感させられました。
創業時からの手書きのこだわりを持った「敏山窯」
敏山窯は今から60年以上前(昭和初期)に、窯をスタートさせました。
60年ほど前というと、美濃地方は窯の機械化が進み始め、大量生産を求められるようになる一方で、高級品の需要も増え始めていました。
そんな時代背景の中、敏山窯は1つ1つ手描き作業を必要とされる染め付けの磁器作りを得意とした窯を始めました。
また釉薬にもこだわり、敏山窯が使う土とのバランスを考え、3代目の頃から現在まで、2種類の釉薬をブレンドし、薄いブルーがかった白が出る特別な釉薬を使うようになりました。
もちろん今でも、手作業を得意としており、銅版を貼った器や、手描きの器が作業場ににはぎっしりと積み上がっていました。
量産にも対応している呉須の染め付けがお見事!
敏山窯は、特に呉須(染付け磁器の模様を描く青藍(せいらん)色の顔料)の染め付けが得意です。
それは窯に併設されたショールームを見せて頂くとすぐにわかります。
様々な紺色の絵が描かれた器が所狭しと並ぶ様は、本当に圧巻です。
のびやかな筆遣いで描かれる敏山窯の器は、大胆で有りながら繊細さも持ち合わせています。
製作上こだわっているところは?とお聞きすると、
「大事なのは絵を同じ色で出す事」という答えが。
それは、同じシリーズでも描かれている線や模様は、一つ一つ若干の違いがあるのに、並ぶ棚を遠目でみると、まるで手描きではなく、プリントされたかのように、色と絵が揃って見えるのです。
希少になる前に使っていただきたい器です。
呉須の染め付けの技術を得意とする敏山窯ですが、最近では大きな問題にも直面しているそうです。
技術を持った職人さんが減り、染め付けの量産が非常に難しくなってきているそうです。
そんな状況である敏山窯ですが、得意とする呉須の染め付けは唯一無二であり、とても魅力的な製品の生産に結びついています。
今回私たちは、その窯の個性を存分に活かした「しましまのお皿」をお願いしました。
他ではなかなか見る事の出来ない、極太と極細のストライプが印象的な「しましまのお皿」。
是非お手にとってそのこだわりの筆遣いを味わって下さい。