管理栄養士の菱沼未央さんと一緒に製作している「パンとごはんと…」プロジェクトをシリーズで紹介しています。
第八話の今回からは、器にフォーカスしていきます。
今回発表した「パンとごはんと…」の器は全て岐阜県の「美濃焼」の産地として知られているエリア、多治見や土岐(岐阜県南部)一帯で製造されています。
よく聞くけど、詳しくは知らないという人も多いと思いますので、今回は「美濃焼」について少しお話します。
「美濃焼」は陶磁器生産の長い歴史があり、現代までその影響が脈々と流れています。
「美濃焼」の歴史はとてもながく、なんと平安時代までさかのぼることになります。
その製造の歴史は須恵器からはじまりました。
桃山時代には「へうげもの」で知られる古田織部などの影響から茶陶で全国的に知られるようになりました。
その後、江戸時代には大衆向けの陶磁器の制作が始まり、その流れで現代も陶磁器の生産がとても盛んで、今では日本一の産地になっています。
「美濃焼」の特徴は多様性。
実はひとくくりに「美濃焼」と言ってもたくさんの種類があります。
「美濃焼」のエリアの中にはたくさんの窯元があり、窯ごとにそれぞれスタイルが違います。
日常使いの大量生産の窯、伝統を受け継ぐ窯、新しいデザインを求める作家さんが作品を制作している窯など。
また製造される器のスタイルも洋食器、和食器問わず、多種多様な陶磁器が生み出されています。
その中でも、歴史的にも有名な「美濃焼」の代名詞ともいえる「織部、志野、黄瀬戸」などの焼き物もありますが、実は「美濃焼というのはずばりこれ!」という、確固たるスタイルはありません。。。
この何でもありのスタイルがある意味「美濃焼」の特徴で、言い換えれば「特徴が無いのが特徴」という事になります。
スタイルにとらわれず、陶磁器の生産を続けている産地だからこそ、伝統も歴史も受け継ぎつつ、生き残ることが出来ているのです。
「パンとごはんと…」の器は「美濃焼」の4つの良いこだわりが詰まっています!
このように「美濃焼」には色々な技術や製造方法があるので、自分のスタイルに合わせてこだわった物作りが出来ます。
「パンとごはんと…」プロジェクトでは、この産地の特長を活かし、4つのポイントにこだわって、5つの窯を選びました。
• 土の味わいを感じられる器を作っているところ
• 大量生産が出来なくても、手仕事が出来るところ
• その窯独自のスタイルを受け継いで作り続けているところ
• 未央さんの要望を受け入れる柔軟な体勢を取っているところ
とても細かい条件ですが、これを可能に出来るのが「美濃焼」の多治見、土岐エリアのとてもいいところなんです。
この結果、釉薬の色、焼き上がりの具合、線の太さやサイズ感など、細部までこだわった物が出来、他にはない未央さんとCHIPS独自の器が完成しました!
次回からは、実際にその5つの窯の探訪レポートをお伝えしていきたいと思います!
窯の探索レポートを予定していましたが、「パンとごはんと…」の「マグカップ」の商品紹介の記事に変更しました。
商品紹介の次に窯のレポートを紹介します。今しばらくお待ちください。